サスティナブル社会への貢献
サスティナブル方針
モリマシナリーは、創業より培った唯一無二のオンリーワンの技術と独創的なアイデアで、サスティナブルな社会の実現に貢献していくことを約束します。この約束を実現するために、次の3つのPriority Activities Policy(重点活動方針)を定め、活動を進めていきます。
- 最先端のテクノロジーと独創的なアイデアによるイノベーションで、社会に新しい価値を創造し、サスティナブルな社会を実現していく企業を目指します。
- お客さま、サプライチェーン先、社員、地域社会等のステークホルダーより評価され、信頼される企業を目指します。
- CSR、ESG、SDGsの達成に向けて、積極的な活動を進めます。
AIの取り組み
私たちは、AI(人工知能)を活用することにより、持続可能な社会の発展に貢献し、社会に感動を与えることを目指しています。同時に、AI が社会に与える影響について様々な議論が行われていることを認識しています。私たちモリマシナリーは人権方針に基づき、AIの活用についても人権を尊重し、研究、開発を進めていきます。
AI ツールソムリエの開発
日本のものづくり現場は、少品種大量生産から多品種小量生産への潮流に加え、熟練者の減少といった課題があります。また切削工具の管理においては、必要な工具を迅速かつ確実に段取り替えするために、高度な技能・目利きが必要で、誤った工具選択による品質不良や、まだ使用可能な工具の廃棄(生産コスト増加)が課題となっています。
私たちモリマシナリーは、工具を自動で交換し段取り替えを省くマシニングセンター内の工具を自動搬送する工具マガジン(切削工具収納庫)においては、国内トップクラス(約 1 万台以上)の実績をもっており、2018年より切削工具の摩耗状態を可視化し、適切に管理するシステム「ツールソムリエ」を開発・販売してきました。
そのツールソムリエをベースに、これまで熟練技能者に依存していた工具の欠け・摩耗・寿命を AI で判断し、工場の生産性向上を支援する「AI ツールソムリエ」の研究開発を進めており、さらなる精度向上を行い、2024年度に製品化いたしました。
AIツールソムリエ実証機
循環型社会・GXへの取り組み
私たちは、2008年より岡山県の森林資源の有効活用を目指し、「おかやまグリーンバイオ・プロジェクト」による産学官の連携でセルロースナノファイバーの開発をスタートしました。
2012年にはセルロースナノファイバーの製品化を実現。
2023年には岡山大学と共同で、リグノセルロースナノファイバーの新機能の特許出願申請を行いました。
循環型社会、GX(グリーントランスフォーメーション)社会の実現に向け、私たちモリマシナリーは循環型資源の木材を原料としたセルロースナノファイバー・リグノセルロースナノファイバーの研究・開発をこれからも進め、オンリーワンの技術により環境への貢献に取り組みます。
セルロースナノファイバー
セルロースナノファイバーは、鉄の1/5の軽さで5倍の強さを持っており、ガラスの1/50の低熱膨張という特性があります。これらの特性から、新たな補強用繊維・フィルター繊維・増粘調整剤等に利用出来るとして注目を浴びています。
リグノセルロースナノファイバー
岡山県の真庭産ヒノキを原料とし、木の成分がそのまま含まれているためリグニンを含有します。
リグニンは疎水性があるのでプラスチック等となじみが良く、紫外線の透過抑制効果(特許出願内容)もあります。プラスチックに分散することにより紫外線劣化を抑制し、使用量の低減・マイクロプラスチック化の抑制が可能です。
バイオマスアップサイクルシステムの取り組み
私たちは、2004年から独自のスクリュー形状 (二軸) により、間伐材・剪定枝・竹・パーム・さとうきびなどのあらゆるバイオマス素材を連続的に素早く解繊することができる機械「エクストルーダ」を国内外の企業に提供してきました。
解繊維化 (爆砕) されたバイオマス素材は、緑化事業用堆肥・建材ボード材料・キノコ菌床・家畜の敷料等に再利用が可能なことから、カーボンニュートラルの取り組みとして、昨今は循環型社会を目指す国内外で実施される環境プロジェクトから多くの参加要請をいただいています。
「当社が協力する国際農林水産業研究センターのSATREPSパームトランクプロジェクト(JST/JICA)およびBRIDGE「次世代バイオマスアップサイクル技術の世界展開に向けた調査研究」の取り組み事例」(SATREPS環境・エネルギー(地球規模の環境課題) 研究課題一覧、令和6年度採択 BRIDGE施策一覧参照)
SATREPSとは、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)がそれぞれ独立行政法人国際協力機構(JICA)と連携して、地球規模課題の解決に向けた日本と開発途上国との国際共同研究を推進するプログラムです。
調達方針
モリマシナリーは、サプライチェーンをはじめとしたお客さまとの健全な取引関係と、適切な支払い手続きを徹底します。またサプライチェーンにも、モリマシナリーで定める人権方針をはじめ、コンプライアンスの遵守を求めます。
調達先の選定にあたって、品質・価格・納期等だけではなく、経営の健全性・コンプライアンス・環境への取り組み・人権尊重の取り組み等の対応状況を踏まえて、総合的に判断します。
調達等の取引をはじめる際には、取引基本契約書等による契約のほか、お客さまと合意した資料等を証跡として保管し、適切な支払い等の手続きに利用します。
自社だけではなく、調達先においても紛争や犯罪への関与のない原材料を使用します。
事業継続計画への取り組み
基本方針
モリマシナリーでは地震などの災害が発生した場合に、従業員の安全確保と人々の生活に欠かすことの出来ない大切な製品を供給しているといった社会的責任の観点から重要業務を定め、事業の操業レベルが低下した場合でも、重要製品の供給を続けていくための基本方針を定め、計画的に対応力の向上に努めています。
主な取り組み
岡山県は断層型地震の発生確率は低いとは言われていますが、南海トラフ巨大地震や近年の大雨や台風がもたらす河川氾濫、感染症対策などを想定して、当社ではあらかじめ継続すべき重要業務を選定し、それぞれの事業においてBCPを策定しています。
大規模地震への対応
モリマシナリーでは、南海トラフ巨大地震など大規模地震の発生を優先対応リスクの一つと位置付け、BCPの整備・見直しを継続的に行っています。
大規模地震発生時にあたっては、従業員やその家族の人命確保を最優先とし、被害の拡大防止と二次被害の発生防止に努め、また重要製品の供給継続と早期復旧を図ることで、社会的供給責任、地域経済の活力、社会からの要望に応えることなどを基本方針としています。その対策として地震発生に備え、必要な物資の備蓄・工場など建屋の耐震改修などを行い、事業継続計画の高度化を計画的に進めています。
水害(洪水など)への対応
晴れの国と言われ、比較的に災害が少ないと言われる岡山県でも2018年7月の西日本豪雨では甚大な被害がもたらされました。近年は大雨や台風がもたらす河川氾濫などによる被害が全国的にも甚大化している現状を踏まえ、当社は水害を優先対応リスクの一つと位置付けています。
赤磐市にある本社工場は、河川氾濫は浸水想定外区域・土砂災害は危険区域外となっていますが、その他の水害が想定される工場などの施設においては浸水想定などに応じた対応策を順次進めています。
必要物資の備蓄
当社では大規模地震の発生などに伴う甚大な災害に備え、従業員と来訪者の安全確保を最優先に水や食料、生活用品などの必要な物資を備蓄し、各拠点に確保をしています。今後も必要に応じ、備蓄の充実を進めていく方針です。
BCP備蓄品
事業継続マネジメント(BCM)の取り組み
策定したBCP対策については随時その実効性について見直しを行い、PDCAサイクルを活用して災害発生に備えた対応力の向上に努めています。
主な取り組み 連絡体制の構築
災害発生時に可能な限り早く、適切に従業員の安否を確認し、災害に対して適切に対応を進めていくために、就業時間外でも利用可能なSNSを活用した連絡体制を整備しています。災害発生時に関係者間で早期に情報収集を行い、可能な限り正確にまた迅速に関係者間で連絡を取り合うことにより事業継続に向けて速やかな対応が出来るような体制の強化に取り組んでいます。
非常用電源
BCP訓練風景